中日新聞:ハザードマップ 私たちが作る! 7カ所のため池 決壊に備えを:石川(CHUNICHI Web)

石川県七尾市万行町の自治組織が、自主的に「ため池ハザードマップ」作りを進めていることが紹介されている記事です。東日本大震災や昨年九月の紀伊半島の土砂ダム災害で危機感を覚えた町会が「津波も心配だが、ため池の決壊も不安。緊急時に対応できるようにしたい」と作り始めたとのこと。


中日新聞:ハザードマップ 私たちが作る! 7カ所のため池 決壊に備えを:石川(CHUNICHI Web)

 万行町には、最大で総貯水量四万立方メートルの袖平池をはじめ、農業用や防火用の池が山間部や住宅地に大小七カ所ある。かつて池が決壊したこともあり、住民の間に「地震や大雨で、ため池の堤が壊れたらどうなるのか」という不安の声が上がり始めていた。
 そこで町会は、市などの資料を用いて昨年秋からマップを製作。十二月には役員三十人が、七カ所のため池を視察した。現場の土地の凹凸などを見ながら地図の等高線をチェックして、堤が崩れた場合の被害区域を赤色でマップに記し、たたき台を作った。
町内で最も大きい袖平池

 災害時の情報伝達手段なども明記し、今後は市などと協力しながら、被害区域などを修正して完成させる。
 マップ作りに携わる同町の防災士鉾田徳男さん(64)は「若い人や引っ越してきた人の中には、ため池がどこにあるか分からない人もいる。ため池の場所を知ってもらうためにも重要」と考える。
 マップ以外にも、町内の掲示板に標高を示したり、ため池災害の訓練、堤の定期的な草刈り、点検も検討している。須崎昭夫町会長(70)は「防災意識を高めることが一番の意義。町にはそれぞれの地理的特徴があり、自主的な対策を取ることで住民の意識付けができる」と話している。